鍼灸師という「職人」の道へ―
鍼灸師という「職人」の道へ――
辞めたい、落ちた、でも好き。将来を切り拓くヒント鍼灸師(はり師・きゅう師)という国家資格を取得し、夢を持って業界に飛び込んだものの、「想像と違った」「仕事がハード」「将来が不安」と悩んでいませんか?あるいは、鍼灸国家試験に落ちてしまい、絶望の淵に立たされている方もいるかもしれません。鍼灸師を辞めたいと感じる理由、国家試験の失敗からの立ち直り方、そして鍼灸師の将来性と、この仕事が持つ本当の「楽しさ」について深掘りします。
第1部:なぜ「鍼灸師を辞めたい」と感じてしまうのか?「鍼灸が好き」という気持ちで資格をとったのに、現場に出ると辞めたくなるほどのストレスを感じる。それは決してあなただけではありません。多くの鍼灸師が直面する、共通の悩みがあります。
1. 「技術の壁」と「結果が出ない」焦り鍼灸は「職人技」です。学校で学んだ知識と、現場の生身の患者さんの体は違います。思ったような治療結果が出ず、「鍼灸師として向いていないのでは」と落ち込むことは誰にでもあります。特に、慢性の患者さんや、施術者の意図通りに体が反応しないケースが続くと、自信を失ってしまいます。
2. 労働環境の過酷さ鍼灸院、接骨院(柔整併設院)などでは、立ち仕事が基本です。朝から晩まで施術を行い、合間にカルテ記入や掃除、時には接客業務もこなします。また、土日営業や遅い時間までの営業が一般的で、休みが少ない、体力的にキツイという肉体疲労が「辞めたい」につながります。
3. 「低賃金」への不安初任給が低いケースや、昇給の幅が小さいと感じるケースは少なくありません。特に、技術を磨くための勉強会や教材費が自費であることも多く、若手のうちは「稼ぎたい」という欲求と、「技術を磨きたい」という欲求のジレンマに陥ります。
4. 人間関係(患者さん・院長との板挟み)技術力だけでなく、コミュニケーション能力も必須です。鍼灸院には、身体的・精神的に辛い思いをしている方が来院するため、心理的なケアも求められます。また、院長の治療方針と自分のやりたい治療が合わず、ストレスを抱えるケースもあります。
戸澤が鍼灸師になって感じたことを26年4月23日豊島区役所センタースクエアで話しました
第2部:鍼灸国家試験に落ちた……そこからの「立ち直り方」一生懸命勉強したのに、鍼灸国家試験に落ちてしまった。その時のショックは計り知れません。しかし、ここで諦めては本当の負けです。多くのトップ鍼灸師も、一度の失敗を経験しています。貴方の知っている有名鍼灸師も留年してたりしますよ。1. 「期間を決めて」休む・泣くまずは、悔しい気持ちを隠さず、とことん落ち込んでください。3日間、1週間など、期間を決めて、勉強のことは忘れましょう。感情を出し切ることが、次のステップへのエネルギーになります。
2. 敗因を「客観的」に分析する何が原因で落ちたのか?「模試では良かったのに、本番で緊張した」「特定分野(解剖学や東洋医学概論など)の理解が浅かった」「過去問の周回不足」冷静に分析します。もし周りに頼れる先生や、一緒に勉強できる仲間がいるなら、客観的な意見をもらいましょう。
3. 「来年合格するための」スケジュールを組む「来年頑張る」では、また落ちます。「いつまでに、何を、どれくらい勉強するか」を具体的に計画します。毎日、午前中は必ず過去問を解く苦手分野の参考書を夏までに3周するなど、小さな目標(マイルストーン)を設定します。
4. 「臨床現場」で知識を深める(アルバイト)国家資格がないと施術はできませんが、鍼灸院の受付や助手として働くことは可能です。現場の雰囲気、先輩の会話術、患者さんの悩み方を肌で感じることで、勉強のモチベーションが爆上がりします。
第3部:鍼灸師の「将来性」はどうなる?「鍼灸業界は頭打ち」「AIに取って代わられる」という声もありますが、果たしてそうでしょうか? 鍼灸師の将来は、実は非常に明るい側面を持っています。
1. 高齢化社会と「予防医療」のニーズ高齢化が進む日本において、痛みや身体の不調を「薬を飲んで隠す」のではなく、「根本からケアする」手段として鍼灸が注目されています。予防医学、未病(病気ではないが健康でもない状態)の段階でのケアは、鍼灸の得意分野です。
2. 「美容鍼」や「スポーツ」への広がり鍼灸の可能性は、慢性痛だけではありません。顔のたるみやシワに直接アプローチする「美容鍼」は、若い世代の女性を中心に爆発的な人気です。また、トップアスリートがコンディショニングのために鍼灸を取り入れていることは有名で、スポーツ現場での需要も高まっています。
3. 海外での評価(World Wide)WHO(世界保健機関)でも、多くの疾患に対して鍼灸の有効性が認められています。欧米では「代替医療」「補完医療」として、医師と連携して鍼灸師が活躍するケースも増えています。技術さえあれば、海外で働くことも夢ではありません。
4. 働き方の多様化(独立・起業)鍼灸師の最大の強みは、一生モノの技術であり、独立して開業できることです。訪問鍼灸、完全予約制のプライベートサロン、特定の疾患専門院など、自分のスタイルに合わせて働き方を変えることができます。
第4部:それでも辞めたい人へ――鍼灸師の「本当の楽しさ・やりがい」もし、今の環境が辛くて「技術なんてどうでもいい」と思っているなら、一度立ち止まって、この仕事の「楽しさ」を思い出してみてください。技術が少しでも向上すれば、鍼灸師はこれ以上ないほど楽しい仕事に変わります。
1. 患者さんの「人生」を変える瞬間「30年間悩んでいた腰痛が、鍼を打って初めて軽くなった」「寝たきりだった母が、座れるようになった」こうした言葉を、鍼灸師は日常的に聞くことができます。患者さんの人生の質(QOL)を、自分の技術で直接的に向上させる。これは、医師や看護師とはまた違った、密接な関係性から生まれる、職人的なやりがいです。
2. 「自分の手」が名医になる鍼灸師の武器は、自分の手と鍼だけです。高価な医療機器はいりません。技術を磨けば磨くほど、自分の手が患者さんの不調を見つけ、治療できるようになります。この「自分自身が成長する楽しさ」は、他の職業では味わえない、職人としての快感です。
3. 東洋医学の「奥深さ」という探求心「なぜこのツボに鍼を打つのか?」「なぜこの体質にはこの刺激が必要なのか?」東洋医学の考え方は、非常に論理的でありながら、神秘的でもあります。患者さんの脈や腹部を診て、体の中で起きている「氣・血・水」の乱れを読み解く。これは、一生かけても学びきれない、非常にエキサイティングな探求の旅です。
4. 患者さんとの「深い信頼関係」鍼灸は、患者さんの体に直接触れる、非常にパーソナルな医療です。1人の患者さんと1年、2年、10年と付き合い、家族のような、あるいは親友のような関係になることもあります。「あなたにしか任せられない」と言われることは、鍼灸師としての最大の喜びです。
5. 「技術」は誰にも奪われない財産一度身につけた鍼灸の技術は、誰にも奪われることはありません。もし今の職場が辛いなら、違う職場に移ればいい、あるいは自分で院を開けばいい。自分の実力がそのまま収入や評価につながる、フェアな世界です。
6. 多彩な患者さんとの出会い鍼灸院には、子供から高齢者まで、様々な職種、様々な悩みを抱えた人が来院します。彼らの話を聞くことで、自分の人生観も広がります。患者さんが「先生のおかげで、明日からまた仕事頑張れる」と言って笑顔で帰っていく姿を見ると、この仕事をしていてよかったと心から思います。
もう一度、「はり・きゅう」と向き合ってみる「辞めたい」と感じるのは、あなたが真剣に患者さんと向き合っている証拠です。「国家試験に落ちた」のは、まだあなたの手元に、もっと深い知識を蓄える時間が必要だからです。鍼灸師は、体力的には厳しいですが、それ以上に「人の健康と笑顔」に直接貢献できる、やりがいに満ちた素晴らしい仕事です。もし、今の辛さが技術不足から来るものなら、勉強会に行ってみましょう。もし、今の職場がブラックなら、もっと自分を評価してくれる場所へ移りましょう。あなたの技術と手は、誰かの人生を豊かにする力を持っています。その楽しさを、ぜひもう一度、感じてみてください。
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