必ず出題されるICF
近年高確率で出題されるICFについて 個人始動時に教えるのは手間と時間がかかるので
動画にしてみました
観てね
【配布用資料】桃太郎で考えるICF(国際生活機能分類)
1. ICFとは?(従来の考え方との違い)
ICFは、2001年に世界保健機関(WHO)で採択された、人間の「生活機能」を分類するための世界共通のモノサシです
。
昔の視点(ICIDH:国際障害分類): 「できないこと(マイナス面)」に注目し、病気やケガの結果として障害を捉える一方向的なモデルでした
。
現代の視点(ICF): 「何ができるか、どう工夫すれば楽しく暮らせるか(プラス面)」を重視します
。環境や個人因子を含めた双方向的なモデルです
。
2. ICFの6つの構成要素(必ず暗記!)
ICFは以下の6つの要素が互いに影響し合っていると考えます
。
構成要素
内容(桃太郎の例)
健康状態
病気、ケガ、高齢、妊娠など(例:脊髄損傷、右上腕骨骨折)
心身機能・身体構造
からだや心の働き、パーツの形(例:左腕は正常、右腕の痛み、両足の麻痺)
活動
個人が行う具体的な動作(例:左手で食べる、車椅子を漕ぐ、文字を書く)
参加
社会や役割への関わり(例:村のパトロール、家業のサポート、友人との交流)
環境因子
物、建物、人、制度、社会の態度など(例:きびだんごをくれる家族、仲間の助け、段差のある道)
個人因子
年齢、性別、価値観、人生経験(例:18歳、元自衛団長のプライド、責任感)
3. 「活動」と「参加」を見分ける裏ワザ
試験で最も狙われやすいポイントです
。
活動(個人レベル): 主語を「ひとりで〜できるか」にしてみて、しっくりくるもの。場所は「家の中」をイメージします
。
例:自分でスプーンを持って食べる、車を操作する
。
参加(社会レベル): 主語を「みんなの中で役割があるか」にしてみて、しっくりくるもの。場所は「家の外」をイメージします
。
例:レストランで友人と外食する、車で仕事に行く
。
4. 桃太郎の事例:多職種チームによる解決
怪我で動けなくなった桃太郎に対し、仲間(イヌ・サル・キジ)は以下のようにアプローチします
。
サル(環境因子): 「片手駆動式車椅子」を導入し、自力移動を可能にする
。
キジ(参加): 車椅子で可能な「パトロール長(指示出し)」という役割を提案する
。
イヌ(心身機能・活動): 残された左腕の筋トレをサポートし、介助を行う
。
ICF(国際生活機能分類)問題集
1. 事例問題(桃太郎のケーススタディ)
【問題】
桃太郎さん(18歳、男性)。鬼ヶ島での戦闘により脊髄損傷(両下肢完全麻痺)を呈し、さらに転倒によって右上腕骨を骨折し現在ギプス固定中である。左上肢の機能は正常である。元々は村の自衛団長としてパトロール(平和維持活動)を行うことが生きがいであったが、現在は「人に介護される姿を見られたくない」と、山奥の自宅に引きこもりがちになっている。移動には標準型の車椅子が用意されているが、片手ではうまく操作できず、ベッドから車椅子への移乗も一人では行えない。
この事例に対するICFに基づくアプローチとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
【心身機能へのアプローチ】: 引きこもりを解消するため、まずは精神科医による抗うつ薬の処方を最優先する。
【環境因子へのアプローチ】: 左手だけで直進・方向転換ができる「片手駆動式車椅子」への変更を検討する。
【活動へのアプローチ】: ギプス固定中の右腕を無理に動かして、両手で車椅子を漕ぐ訓練を毎日行う。
【個人因子へのアプローチ】: 「団長としてのプライド」を捨てるよう、イヌやサルが繰り返し説得する。
【参加へのアプローチ】: 歩行能力が完全に回復するまで、村のパトロール活動への復帰は一切あきらめてもらう。
【解説】正解:2
選択肢2が正解の理由: 現在の最大の障壁は、身体(片手しか使えない)と道具(標準型車椅子)のミスマッチという環境因子にあります。環境を整えることで「一人で移動する」という活動が可能になり、パトロールへの復帰という参加に繋がります。
他の選択肢: 1は薬の前に環境調整が優先。3は治療(健康状態)を悪化させるため不適切。4の個人因子(プライド)は尊重すべきものであり、否定はNGです。5の「回復まで諦める」のは古い考え方(ICIDH)であり、ICFでは今できる形での社会参加を模索します。
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2. あはき国家試験過去問
問題 16-91
ICFにおいて、「課題や行為の個人による遂行」にあたるのはどれか。
心身機能
身体構造
活動
参加
【解説】正解:3
活動: 課題や行為の個人による遂行を指します。
参加: 生活場面への関わりを指します
。
心身機能・身体構造: 身体の生理的・心理的機能や、器官などの解剖学的部分を指します
。
問題 20-91
ICFにおいて、「活動」に該当するリハビリテーションはどれか。
神経筋促通法
就労支援
関節可動域訓練
利き手交換
【解説】正解:4
利き手交換: 「書く」「食べる」といった具体的な動作(活動)を遂行するための手段の変更であるため「活動」に該当します。
1と3は「心身機能・身体構造」、2は「参加」へのアプローチです。
問題 23-79
ICFの「参加」に該当する内容はどれか。
復職
片麻痺
更衣動作
高次脳機能障害
【解説】正解:1
参加: 復職(社会的な役割への関わり)が該当します。
2と4は「心身機能・身体構造」、3は個人が行う動作なので「活動」です。
問題 25-79
ICFの「活動」に該当する内容はどれか。
腎機能
調理
筋力
医療制度
【解説】正解:2
活動: 調理という具体的な生活動作が該当します。
1と3は「心身機能・身体構造」、4は「環境因子」に分類されます。
問題 29-63
ICFに関する組合せで正しいのはどれか。
身体構造 ――― 生活への関わり
活動 ――――― 肢体とその構成部分からなる解剖学的構造
参加 ――――― 人生場面への関わり
環境因子 ――― セルフケア
【解説】正解:3
参加: 「人生場面への関わり」という定義が正しい組合せです。
1と2は内容が逆。4のセルフケアは「活動」に該当します。
問題 31-63
ICFでセルフケアに該当するのはどれか。
心身機能・身体構造
活動
参加
健康状態
【解説】正解:2
活動: セルフケア(食事、入浴、着替えなど)は、個人が自分の体に対して行う具体的な動作であるため「活動」です。
問題 18-85
ICFについて正しい記述はどれか。
対象を障害者に限定して作成された分類法である。
各構成要素の因果関係は両方向性である。
生活機能とは日常生活動作のことである。
個人因子とは健康状態のことである。
【解説】正解:2
ICFの原則: 各要素は互いに影響し合う**双方向的(両方向性)**なモデルです。
1は間違いで、全ての人を対象としています。3の生活機能は「心身機能・活動・参加」の3つを合わせた総称です
。
問題 22-84
ICFの構成要素で「参加」に該当するのはどれか。
屋内手すりの設置
短下肢装具の作製
残存筋の強化
復職(※選択肢は類推)
【解説】正解:4(または社会的な役割)
資料内の同問(23-79)でも「復職」が参加の例として挙げられています
。1と2は「環境因子」への介入、3は「心身機能」へのアプローチです。
問題 24-73
ICFの活動制限に対するアプローチで正しいのはどれか。
利き手交換
トイレ改造
上肢機能訓練
デイサービス利用
【解説】正解:1
活動制限: 「できないこと」を補うアプローチとして、動作の方法を変える「利き手交換」が最も直接的です。2は環境因子、3は心身機能、4は参加への支援です。
問題 26-82
ICFの「活動」に該当するのはどれか。
復学
家屋改修
障害年金受給
義足作製(または歩行訓練)
【解説】正解:4
1は「参加」、2と3は「環境因子」です。義足を用いて「歩く」ことを可能にするアプローチは「活動」に直結します。
問題 27-73
障害モデルとして用いられているのはどれか。
ADL
ICF
MMT
QOL
【解説】正解:2
ICF: 人間の障害の全体像を捉えるための分類・モデルフレームワークです。ADLは動作、MMTは筋力検査法、QOLは生活の質の概念を指します。
問題 33-71
ICFの「活動」に該当するのはどれか。
呼吸機能
利き手交換
復職
家屋改修
【解説】正解:2
これまでと同様、具体的な動作の遂行に関連する「利き手交換」が活動に該当します。
問題 34-82
ICFの生活機能に含まれないのはどれか。
疾病
心身機能・身体構造
活動
参加
【解説】正解:1
生活機能: 「心身機能・身体構造」「活動」「参加」の3つを指します。**疾病(健康状態)**は生活機能に影響を与える原因ですが、生活機能そのものには含まれません。